葬儀をするとなると日本で半数以上を占めるとされる仏教の場合は、普通のスタイルだと通夜という儀式が開催され、次の日に告別式という儀式が開催されて終わります。その告別式の前日である通夜はもともとは夜を通じて過ごすことを目的としている儀式となります。
この儀式では夕方の18時くらいからお寺さんがお経を唱えて儀式が始まります。これは1時間ほどで終了して後は近親者だけでしばらく控室で夜を過ごすことになります。この際に一部の人からは線香の火を絶やさないようにと言われます。
その線香の火を絶やさないようにするためには、常に誰かが見張りをしておかないとなりません。なぜなら線香自体が燃え尽きてしまうからです。そのためこの負担を軽減するための1つの策として1本を長くした廻り線香というのが発明されて、これにより7時間ほど持ちこたえられるようになりました。
しかしこの廻り線香も現在は業者の会場では使用が禁止されています。というのは火災防止の観点のために消防法が改正されて深夜時間帯の使用、またスタッフが常時見張りをしていないエリアでの使用は時間帯に関係なく使用が禁止されるようになったからです。
それのために業者の遺族たちの控室などでは代わりに電気で点灯する線香に置き換わっています。となると電気で常時点灯しているために常時の見張りをする必要が薄らいでいます。これにより従来の言い伝えで一晩中遺体のそばに寄り添うようなことをする必要も薄らぐことになります。
そのため業者のスタッフの多くは自宅に帰って休まれることを推奨するようになっています。言い換えるならば時代に応じて柔軟な対応が要求されることになります。